鏡 「胡蝶蘭」 制作日誌 |
2005/11/19
ご注文をいただいたのは13日だったのですが、こういう仕事は七宝の制作よりもそれ以外のことのほうが大問題で・・・ 取り付ける外枠の構造をどう作るか、それにどのような形で七宝を止めつけるか、つなぎ目の仕事をするための材料に何を選ぶか等々、問題が山積〜 でも、立体とは別な楽しさがあります! 外枠は長いお付き合いのある額縁屋さん、おりじなる工房さんのご協力で何とかクリア。構造の打ち合わせをして発注しました。つなぎ目の仕事のための材料も何とか見つけ出して、それも発注。下準備が整ってほっとするまでに丸1週間かかっちゃった。 その後デザインをしながら、それと平行して色彩の見本のための小品を作ることにいたしました。 たまたま、買い置きの縦長の額がありましたので、それを使って額絵に仕上てみるつもりです。 今日は構成をまとめて下絵付け、植線までをいたしました。 花の中央の「しべ」の部分が細かい作業ですのでなかなか大変! 先ほど植線を焼成、何とか上手くいっています。明日は施釉の予定です。 |
2005/11/20
一番差 | 二番差 | 三番差 |
立体と違って平面ものですから、ちょっと派手目な色彩にしてみました。
軽く研磨して、火ヅヤ仕上にする予定です。
2005/11/25
せっかく作ったので、そのままにしておくよりも、と、額装してみました。
ついでに背景の色違いで、もう一つ制作してみました。
どちらかというと、この方が私の雰囲気ですけれど・・・
明日、見ていただいてどちらにするかを決定する予定です。
結局、見ていただいて茶系のほうに決定いたしました。
もう少し背景の色は明るめにしようという事になりました。
2005/12/03
3日ほど遅れて、頼んであった鏡の縁が出来上がってきました。 で、午前中に取りに行って、午後から板取、つまり寸法に合わせて銅板をカットする作業をいたしました。 銅板は、焼成するたびに多少焼き伸びしますので、伸び分を考えて実際よりも少し小さめにカットします。 また、あまりに細長い状態ですと、焼きゆがみが出たり、ゆがみが原因でヒビが入ったりしますので、あえて細かくカットするようにしています。 |
2005/12/05
下地焼きを終わって、下絵付けをいたしました。 銀箔が足りなくて、下の2枚はまだ箔貼りをしていません。 (^^ゞ |
2005/12/09
その後、植線を終わり、本日「一番差」を完成しました。 まだ一番差ですので、ちょっと色調が甘いですけれど・・・ 下半分は、箔に透明のフリットをおいて変化をつけています。 明日、陶芸教室の方にご注文主が来てくださるということですので、途中経過をお見せする予定です。 |
2005/12/18
二番ざしの終わった状態です。 銅板が焼き伸びしますので、縁の寸法に合わせて削り込んで調整をいたしました。 余り重量があっても困りますので、銀線は高さ0.7ミリのものを使用しています。したがって研磨はせずに、これで焼成は終わりです。 あとは板と板の継ぎ目を、ステンドグラス風に鉛で接続して縁に止めつけて終了です。 今週一杯、その作業に費やします。 |
2005/12/22
試行錯誤を繰り返しつつ、やっと完成いたしました。部分を拡大した写真も載せてみますね。
板のつなぎ目をステンドグラス風に鉛のリード線で隠してありますから、しっかりとした仕上になりましたでしょう?
全体の大きさは、縦57センチ、横46センチと、かなり大きなものです。
気に入っていただけるとうれしいのですが・・・
クリスマス・イヴにお渡しの予定です。