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2011・七宝香炉 「花の闇」 


今年もまた香炉を作ろうと思っています。テーマは桜です。大きさは径10センチ・高さ12.5センチです。


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contents



 素地と下絵 2011/04/19

素地 下絵

左は素地です。図柄は「桜」です。今描いてあるものは大体のイメージですから、下地が出来たら直接絵付けしながら修正を加えることになると思っています。

私にとって桜は特別な花です。西行や梶井基次郎を引用するわけではありませんが…
もう何十年も前の父の葬儀の日、そして母の葬儀の日にも、季節もわからずに暮らした幾日かの後に、斎場で咲き誇る桜を見ました。あぁ、春になっていたのだと… 立ち上る煙の色と桜… 私にとっては鎮魂の花です。

素地は、ゆがみ止めの立ち上がりが付いていますから、何やら壷みたいに見えますけれど、立ち上がり部分は焼成後に切り落とし、出来上がりは図面のような形になります。

蓋の中央には穴が開いていて、そこに昨年のように銀のつまみ兼煙穴が付きますが、そのデザインはまだこれから。足もこれから形状を決めます。
とりあえず、試し焼きが終わってからでないと…





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 試し焼き 2011/05/06

額装 部分

ゴールデンウィークは引き籠って試し焼きに専念いたしました。
何とか仕上がったので、手持ちの額に入れてみました。試し焼きのサイズははがき大で、またもや懲りもせず背景は黒です…
まだまだ時間に余裕がありますから今日は一休みして、明日辺りからそろそろ「足」やらつまみやらのことを考えつつ、下焼きに取り掛かろうか、と…





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 下地 2011/05/09

下絵付け01

下地焼きを済ませました。もうひとひねりしたいところです。何か考えよう…





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 下絵付け 2011/05/12

植線

結局、部分的に花の形に切り抜いた銀箔をところどころに貼って下地といたしました。施釉した場合にはほとんど目立たなくなるのですが、それなりに効果はあるのではないかと思っています。
花は、蓋の一部にもかかる予定です。これは身から蓋へと繋がる柄ですから、身が焼きあがって釉止めを切り落としてからでないと絵付けが出来ませんので、まずは身から取り掛かります。





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 植線 2011/05/17

一番差

やっと植線が終了しました。最近になく細かい柄の連続で、見えねぇ… などと呟きながらでした。眼鏡も新調したんですけれど、最初のうちは良くても時間が経つとぼやけてくる。で、そこで一休み。一休みの時間の長かったこと!





 一番差 2011/05/22

二番差

昨日一日かかって一番差が終わりました。とりあえず、釉止めを切ってからでないと全体像が掴みづらくて蓋と煙抜き金具のデザインが出来ませんので、本体はこのまま、今日明日で施釉作業を終わらせたいと思っています。

煙抜き金具のデザインが出来ないと、それを蓋に止めつけるための足の位置が決まらない、足の位置が決まって、蓋に取り付けのための窪みを切ってはじめて蓋の作業に取り掛かれる、ということです。 金具は今年もさやかちゃんに作ってもらう予定ですから、早くデザインを決めないと…





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 二番差 2011/05/22

三番差

予定通り、一挙に二番差を終わって焼き上げました。かなり色がはっきりとしてきましたでしょう? この分なら、明日には三番差が終わりそうです。
柄が細かいので、5〜6時間もがんばると目がしょぼしょぼです…


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 三番差 2011/05/25

三番差

三番差を焼き上げて、ちょっとヘバって、アップするのを忘れていました… (^^ゞ
念のためしばらく放置して様子を見てから、明後日あたり釉止めを切り落とす予定です。
今回は、ありったけ作品は小さいのに何故か疲れました〜 もしかしたら新しい眼鏡のせいかもしれません。まだ慣れていないせいか、仕事が終わると珍しく頭痛がしたりして。見えすぎるのかも?  おかげで夜10時には寝ちゃう毎日です!!





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釉止めを落とす 2011/05/27

釉止めを落とす

釉止めを切り落として、肩の辺りまで整えました。
切り落としは金切ばさみでを使い、その後サンダーで磨り落とします。ここはちょっと怖いところで、闇雲にやってしまうと際が欠けたりしてしまいますので、注意しながら少しずつ行います。無事に整って、ほっとしています。
これで、おおむね形が出来ましたので、金具のデザインを始めることが出来ます。




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 火屋の留め位置 2011/05/30

火屋の留め位置

本体の方の研磨は中断していよいよ蓋の制作に取り掛かろうと思います。
まず、火屋の金具を留めるための足の取り付け部分に、径2ミリの半円の窪みを付けた所です。ここに足をかませて留めます。
これが出来るといよいよ下地作りに入ります。




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 蓋の下地と絵付け 2011/06/02

上から 横から

昨日、下地を焼成して絵付けを済ませました。蓋が仕上がって、さやかちゃんが火屋の足の位置を微調整しますから、蓋の方を先に仕上げます。
身の方は荒砥#400まで終わりましたが、ここでしばらく中断し、今月中旬までに蓋を作ってしまう予定です。
蓋の釉止めが1センチほどはみ出していますから、ちょっと見難いですけど。





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 蓋の植線 2011/06/05



6000番

今日は蓋の植線でした。かなりこんもりと盛り上がった形ですし、その上小さいので、横にヒーターを置いて乾かしながらの作業でした。糊が乾かないうちに横を向けたりするとせっかく立てた銀線が滑り落ちちゃいますから。
作業をしている時間よりも乾かしている時間の方が長かったかも…



 蓋の施釉 2011/06/06

蓋・一番差 蓋・三番差

一日がかりで、一挙に蓋を焼き上げました。二番差の写真は撮り忘れちゃってますけど…
左側が一番差、右側が三番差です。このあと釉止めを切って研磨に入ります。






 荒砥 2011/06/07

36 上から 36 上から

蓋の釉止めを切り落とし、荒砥#400をかけたところです。このページを見ていてくださった方で、実物を見た方お二人がお二人とも、もっと大きいのかと思った〜 とおっしゃったので、大きさを比較するために隣に我が愛飲のタバコを置いてみました。
ご覧の通り、ごく小さなものです。
私は常々、七宝の一番美しい大きさは両掌にすっぽり包まれる位の大きさではないのかと思っているわけで、これからはそんな掌に収まる作品を作って行きたいと思っています。
ただ、展覧会への出品となると、本当のところはちょっと怖い小ささなのですけれど…
ま、落ちても良いや、ってことで。 (^^ゞ



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 中砥#800と#1000 2011/06/09

中砥 中砥

中砥をかけました。左側が#800、右側が#1000です。こうやって見ると、#1000でそろそろ艶が出始めているのがわかります。#1000は、まだ今日一日かけ続けようと思っています。





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 仕上げ砥#1500 2011/06/11

中砥

黒紺の地色で2作、黒の地色で4作目、ようやく黒の研磨がわかってきたような気がします。やっぱり思った通り、このひとつ前、#1000での研磨が一番の鍵のようです。
朝の光、昼の光、夜の光とそれぞれの光にかざしてみると、その都度、光の質の違いで#1000で取りきれていない微細な傷が見えます。その傷を丹念に#1000で取り去ってやると、それ以降の艶は意外に簡単に出るもののようです。
行きつ戻りつの作業をしないで済むのは今回が初めてです!! ちょっと感激〜〜♪






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 仕上げ砥#1500 2011/06/11

中砥

黒紺の地色で2作、黒の地色で4作目、ようやく黒の研磨がわかってきたような気がします。やっぱり思った通り、このひとつ前、#1000での研磨が一番の鍵のようです。
朝の光、昼の光、夜の光とそれぞれの光にかざしてみると、その都度、光の質の違いで#1000で取りきれていない微細な傷が見えます。その傷を丹念に#1000で取り去ってやると、それ以降の艶は意外に簡単に出るもののようです。
行きつ戻りつの作業をしないで済むのは今回が初めてです!! ちょっと感激〜〜♪






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 仕上げ砥#6000 2011/06/14

中砥

仕上げ砥の#3000と#6000までかけました。この段階で一旦、火屋の原型を作ってもらうためにさやかちゃんのところへ送ります。
戻ってくる頃にはこちらの体力も回復しているでしょうから、それからまたあちこち検査して、研磨の足りない部分は直すつもりです。
10日ほどで、火屋の原型が出来てくると思います。楽しみです〜〜






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 ワックス型 2011/06/22

   
火屋が乗りました。 足
火屋の拡大

ワックス型が出来上がって到着しました。おぉ〜〜イメージ通りです!! 火屋が乗ったとたんにずんぐりむっくりしていた形がすっきりしましたでしょう?
ついでに足にもそれぞれ銀を被せることにして、花弁をかたどった「被せ」も作ってもらいました。
火屋のワックス型の正面が黒く塗りつぶしてあるのは正面の印です。
さて、これからワックス型をさやかちゃんのところに送り返し、本体をもうちょっと研磨してから覆輪掛けに出します。






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 火屋と足 2011/07/06

  
火屋が乗りました。

火屋と足が完成して、半日かけて調整しました。まだ覆輪がかかっていないので、これから本体を覆輪かけのため発送します。
完成は7月20日過ぎになる予定です。
覆輪がないので今はいささかしまりがありませんけれど、蓋と身の間に銀の覆輪がはまると、またイメージが違ってくると思います。






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 完成 2011/07/17

火屋が乗りました。 火屋が乗りました。

予定よりも早く覆輪が仕上がって来ましたので、本日取り付けをいたしました。
これで完成です。右側は斜め上から見たところです。花の色はこれよりももう少し濃い目なんですけど。「ワックス型」の項の写真の方が色彩的には実物に近いと思います。

覆輪がつくとまた雰囲気が変わりますでしょう? 闇の中に凛と咲く桜が表現できているでしょうか? もう5ミリくらい背が低い方が安定感が出て良かったかも… ちょっと反省点です。
さて、結果はどうなりますやら… まァ、自分としてはかなり気に入っていますけど。 (^^ゞ






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 結果発表 2011/07/24

今日、結果発表がありまして、残念ながら選外でした〜(泣)
連続4回の壁は厚かったわけで。(^^ゞ 
まァ、気を取り直して、またがんばります!





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