画像



2022・水指 題名:未定  




昨年、仕上げに至らなかった水指、今までの作風とはガラッと変えるつもりで繋ぎ模様、随分と苦労して試作も10枚近く繰り返し、ようやくこれだ!と思って作り始めたのですけれど、素地の板厚がどういうわけかこれまでの半分程度の薄い素地で仕上がって来て、結局のところ仕上げまでには至らず、悔しいから元の板厚に戻すように交渉して… まぁ、胃が痛くなるような日々でした。
で、去年の内に素地の用意はできていたのだけれど、さらさら手を付ける気にならず、仕上がらなかった作品も箱詰めしたまま見ることなしに丸々八ヶ月。で、今年の正月明けにようやく箱のふたを開けて八ヵ月ぶりのご対面! あ、まぁまぁ、いいじゃないの、あんなに苦労して試作を繰り返してまとめた作品だもの、やっぱり作り直してみよう、と。 で細かい所を修正しながら取り掛かることにいたしました。

今までの制作日誌のバックナンバーはこちらです。おヒマでしたらこちらもご覧ください。 制作日誌バックナンバー

to home.


contents



図面と下絵 2022/01/05

図面 下絵

素地と試作品 2022/01/05

素地
試し焼き 試し焼き

試作品は10枚ほど作りました。その内の7枚です。
まぁ、似たようなもので、どこがどう違うのよ?と言われれば、ごめんなさいなんですけれどそれなりのこだわりってヤツが… ^^);





to this top. to home.

下地焼きと下絵付け 2022/01/13

下絵付け 下絵付け

下地焼きの写真を取り忘れ、これは去年仕上がらなかった分の下地の写真です。釉止めがペッコペコで、すでに歪み始めているのが分かりますでしょ?
今年の素地での下絵付けが終わりましたこちらの方は釉止めがヘタっていませんもの。やはり、素地の板厚は、最低仕上がりで0.8が必要ですよ〜
繋ぎ柄というのは割付が面倒で、電卓片手に割り算…
割付のための区画線が残っています。



to this top. to home.

 植線 2022/01/25

植線

本体の植線が終わりました。5日がかりでした。花芯の部分が細かいのと、とにかく短い線が多いので、苦労しちゃった…



 一番差 2022/01/27

一番差部分 一番差

一番差です。単調な仕事なんですが細かいので、結局4日ほどかかりました。
途中で中断して乾かしてしまうと、糊が強いと境目に糊ジミが出来ることがありますから、極力糊は薄くします。それはそれで怖いのですけれど…





 二番差 2022/02/12

二番差

2月7日から10日まで4日がかりで2番差を終わり、11日に焼成。極力糊を薄くしましたので、糊ジミも出ずに二番差の焼き上がりです。
ここまで来ると本当にほっと致します。やはり歳は争えないもので腕の力が落ちていて、窯出しに苦労しちゃいました。もっとも、冷静に考えればどうってことはないのですけれど、今まで片手で出来ていたものが両手を使わないと、ということに少なからずうろたえました〜 ^^);
ま、問題なく焼き上げたわけですからこれで良しといたしますけれど、年々歳々「何を作るか」ということを自分の体に問わないといけなくなるのでしょうね。それも一つの発見でした。
おかげで右腕は筋肉痛〜 ま、確定申告もあることだし、申告書作成で制作の方は2〜3日休憩です!





to this top. to home.

 三番差と釉止めの切り落とし 2022/02/23

正面

2月17日に三番差の焼成を終わって、今日まで様子見でした。
釉薬の差し方が悪くて厚みにバラつきがあったりすると焼成後数日たって貫入が入ることがありますので、ま、今さらそんなこともないだろうとは思っていますけれど、用心のために4〜5日は様子見をすることにしています。
万が一貫入が入ったりすると修正しなくちゃなりませんが、その時にすでに釉止めを切り落としてしまっていると、今度は歪んだりと、厄介なことになりますから…
で、本日、釉止めを切り落としました。金切りばさみで少しずつ切り落とし、軽くやすりで擦ったところです。
まだ釉止め部分が、胴体と面一になっていませんから、もう少し擦り込んでからいよいよ研磨に入ります。ま、この作業は来月位からといたします。


to this top. to home.

 荒砥 #400 2022/03/01

荒砥 荒砥底部

ぼつぼつ仕事ながら荒砥の400番が終わりました。今回は焼き歪みもほとんどなく無事に進んでいます。
やはり板厚がしっかりしていることは必須条件ですわ! 去年の騒ぎを思い出すと嘘みたいです。
右の写真は底部です。研磨で角の稜線を奇麗に出したいので、ここが一番神経を使う所です。
研磨はこれでしばらく休憩、蓋の制作に入ります。本当は、今日、ツマミの軸のロー付けの予定だったのですが、風が強くて諦めました。
ロー付けはバーナーを使いますので外仕事、風が強いとどうにもなりませんもの。
で、今日はツマミの取り付け軸のねじ切りと、それを蓋に仮止めするカシメ作業でおしまいといたしました。





to this top. to home.

 蓋の下地と絵付け 2022/03/06

ツマミを立てる軸のねじ切り 蓋の下絵付け

研磨はしばらく休憩として、蓋の制作に取り掛かりました。
写真を取り忘れています。ちょっとボケ按配かも〜 ^^);
左の写真は、銅の丸棒に男螺子を切ったものです。これを必要な長さにカットして蓋の素地中央に開けた穴に差し込んで、ロー付けし、それから下地焼きです。
で、本日、下絵付けを終わりました。明日はお教室ですから、明後日から植線に入る予定です。



to this top. to home.

 蓋の植線 2022/03/07

蓋の植線 蓋の植線

6日、7日と二日がかりで植線を終わりました。蓋ですから立体というよりも平もののようなもので、どう頑張っても線が落ちるなんてことはあり得ませんから気楽にのんびりと植線しました。
8日はお教室ですので、9日と10日位で施釉を終わる予定です。



to this top. to home.

 蓋の施釉 2022/03/10

蓋の焼き上がり

蓋の焼き上がりです。釉止めの立ち上がりを切り落として、やすりで削り込んであります。
これから研磨に入ります。その後ツマミのデザインを決めて発注。一応発注の予定は4月中旬ということにしてありますが、今月中には発注できるかも。
本体に蓋をのせてみると、思ったよりも派手な仕上がりになりそうなので、ツマミはなるたけシンプルのデザインにしようかな…と思っています。





to this top. to home.

蓋の研磨 #400  2022/03/13



蓋の研磨#400

土日をかけて蓋の荒砥かけでした。



 蓋の研磨 #1500 2022/03/15

蓋の研磨#1500

研磨の作業は始めると止まらなくなっちゃう… で、腕の限界! #1500のかけ終わりで本日は終了です。#1500まで掛けるとかなり艶が出てきます。
今回は#1000をかなりしつこくかけましたから、見落としの傷はなさそうで、ほっとしています。






 本体の中砥かけ #1500まで 2022/03/15

#1500 #1500

本体の研磨も#1500まで終わっていましたから、蓋をのせてみました。思ったよりも派手な仕上がりになって、あまりツマミに凝ったことをするとうるさくなるなぁ…
ツマミの形状はかなりシンプルにした方がいいのではないか、と。
で、手持ちの既製品のシンプルなツマミがありましたから、それを試しに取り付けてみました。
うん、このくらいのシンプルさがいいかも〜 これを参考にツマミのデザインを決めようと思っています。




to this top. to home.

 仕上げ砥 #3000 2022/03/23



正面 斜め上から
蓋

本体の仕上げ砥石#3000のかけ終わりです。
この後は研磨剤を掛けて、#3000の砥石で付いた「研ぎ筋」を消せば終了です。
その前にツマミのひな形を作らないと… 4月1日にお里帰りのさやかちゃんとツマミ制作の打ち合わせの予定です。29日に3回目のワクチン接種。寝込んでいないといいけど〜^^);





to this top. to home.

 つまみのワックス型 2022/04/30

正面 ナナメ
横 上

1日にさやかちゃんがお里帰りのついでに来てくれて、その時わたしの作ったひな形をたたき台に打ち合わせをして、一昨日ワックス型が出来たとのことでメールをいただき、
先日、これでOKよ! そのまま鋳造に出してください、と。毎度のことながら、さやかちゃんの仕事はとても繊細で美しい! 仕上がりは来月中旬過ぎとのことでした。楽しみです〜






to this top. to home.

 つまみの完成 2022/05/21

つまみが完成して、戻ってきました。
真っ黒にいぶしてもらったのですが、結局のところ仕上がって来た覆輪を仮止めしてツマミを付けてみたところ、いぶさない方が全体のバランスが良いと思って、ウィノールで燻しをとって銀色のままにしました。
さやかちゃん、面倒をかけたのに、ごめん!

ツマミ




to this top. to home.

 完成 2022/07/03

覆輪は19日に仕上がって戻ってきたのですが、まぁ、連日35℃の猛暑に見舞われており、とても手を付ける気にならずほったらかし…
こっちはエアコン漬けで、疲れること〜〜
で、昨日、こうもしてはいられない、仕上げようと思い立ち、覆輪磨き。内側をしっかり磨いて汚れを落としておかないと接着が上手く行きませんから。
で、覆輪とツマミを取り付けて仕上げました。まぁまぁ気に入った仕上がりです。勿論いろんな意味で問題もあるのですけれどね。 ^^);


正面 斜め上から
蓋とつまみ

 入選しました。 2022/08/24

今朝、発表がありまして、おかげさまで入選しておりました。ウチのお教室の生徒さんの内、田中さん、初入選でした。びっくりするほど緻密に植線した有線七宝合子です。どうぞ会場で見てあげてください。
私の経験から言っても初入選というのは、とにかくうれしいものです。おめでとう!
入選者名簿はこちらに載っています。

私の作品が、地方展のどこへ巡回するのかは、東京展の開催後に決定します。その折にはまたここでお知らせいたします。






to this top. to home.

 地方展巡回先 2022/09/20

本日、地方展の巡回先のお知らせが届きました。

私の作品は、この後、
名古屋展: 9月28日(水)〜10月2日(日)
京都展 : 10月12日(水)〜10月14日(金)
岡山展 : 11月17日(木)〜12月4日(日)
高松展 : 2023.1月2日(月)〜1月16日(月)
仙台展 : 2023.1月20日(金)〜1月25日(水)
福岡展 : 2023.2月1日(水)〜2月6日(月)
広島展 : 2023.2月15日(水)〜3月5日(月)
の、7会場を巡回いたします。お近くの方、是非ご覧いただければうれしいです。



その後この作品は、日本橋三越でお客様のお目にとまり、嫁に行くことになりました。
末永く可愛がっていただけますように!



to this top. to home.