最終更新日 ; Friday, 15-Aug-2003 00:00:00 JST

2003・7月


to top. to the last month.


 お命日 2003/07/01


今日は7月1日.あなたの命日です.早いものでもう4回目の命日ですね.
昼から雨がポツポツ落ちはじめました.あの日はどうだったのかしら?? 不思議なことに全く覚えていない.梅雨寒とまでは行かないにもせよ、それほど暑くはなかったはずです.
病院の正門脇の泰山木に、一輪だけ大きな花が咲き残っていた・・・ヘンなことだけ鮮明に覚えています.

お葬式の当日から突然に暑くなった.36度くらいだったかしら? 長襦袢が汗でぐっしょりだったもの・・・

甥の博のお嫁さんの眞里子さんが亡くなりました.49歳.若いよね・・・明後日はお葬式で横浜まで行ってきます.
そのことで電話を貰った時に、叔父と叔母とで生花を出すにあたって、名前を書くのにマツウラでいいのかと問い合わせがきました.そうだよね、旧姓に戻ったって不思議はないんだ.仕事は全部旧姓なんだし、もうマツウラなんて、役所か病院くらいで使う以外に使うことはほとんどないものね.

去年、二つ名前も厄介だし、と、復姓届は貰ってきたのよ.死別の場合、届を出すだけで簡単に旧姓に戻ることができるのだそうです.とても簡単・・・
あんまり簡単すぎて、なんだかあなたがかわいそうみたいな気がしちゃって、挫折したのよ〜 そのうちにせっかく貰った書類はどこかへ行っちゃったし・・・
もっと手続きがややこしくて大変なら、かえって躍起になって手続き済ませるんだけどね.(^^ゞ

まァ、もうちょっとこのままでいようかしら? 20年あなたの女房をやったって証だものね.でも、いずれはやっぱり復姓すると思うの.その方がすっきりしてるでしょう? いつになるかは分からないけど.

“光陰 矢のごとし”って本当だね〜 もう丸々4年も経っちゃったよ〜〜
そして私は、いまだにしっかり楽しく生き残っています・・・「おまえは薄情だからなぁ.」と言うあなたの声が聞こえるみたいですぅ〜
桃とさくらんぼお供えしたから、召し上がってくださいね.この天候だから桃はあんまり美味しくないかもしれないけど.





to top. to this top



 道徳・倫理観 2003/07/06


最近、いやな事件が頻発しています.
幼児にいたずらして駐車場の屋上から突き落として殺す.中学生たちがクラスメイトをよってたかってリンチして殺してしまう.注意を受けたからと言って注意した相手を車で追い掛け回して友達までケイタイで呼び出して死ぬまで殴る、蹴る・・・動物を虐待する.
収穫期の農作物をごっそり泥棒する、仏像を盗む・・・拾った不発弾をネット販売して宅急便で送る・・・金になりさえすれば何でもアリ・・・???
何時の間にか日常茶飯のようにこういうニュースが流れる社会になってしまっているんですよね・・・

やっぱり、道徳や倫理観の欠如なんでしょうけれど.
人は道徳や倫理観をおのずから持って生まれてくるわけじゃない.生まれた時には動物としてのホモ・サピエンスにすぎないわけで、まぁ、犬や猫に等しいようなものでしょう?
そこで出会う大人たちから、社会性、道徳、倫理観を受け継いでやっと人間としての存在になるのだと思うのね.

そこの何かの歯車が、いつしか狂っちゃったんだろうな、と私は思っているのです.
私は子供を産んだことがないし、したがって育てたこともなくて、大きなことは言えない、もっぱら子供として親から受けたものを語るしかないんだけどね.(^^ゞ

私は末っ子で、しかも忘れたころに出来た子供だったから、親は両方とも明治生まれだったの.だから、とても厳しかったのよ.日常的には、末っ子だから随分と甘やかされてたけど、道徳感や倫理観、生き方の問題に関しては本当に厳しかった.常に立ちはだかられていたような気がするくらいよ.恥の文化を受け継いだのよね.“人として恥ずかしいことだ”と言われるのが一番怖いことだった〜 存在を否定されるようなことだったのよ、それって.
今や、“人として恥ずかしいこと”なんてなくなっちゃったのかなァ・・・もうそれって死語なのかも知れませんね.

やっぱり、人の持つ道徳観や倫理観と言うものは、基本的に親から学ぶものだと思うの.学校で習うのは、親や身の回りの大人たちから受け継いだそれらのものの学問的な体系付けに過ぎない.
学校で習うころには、もう、自分の中にそれらは根付いてしまっているのだから.

子供の自由に委ねて、という考え方があるけれど、それって、その子供の道徳観・倫理観が確立した後の話だと私は思うのよね.それ以前だったら、これは教育の放棄に等しいよ.三つ子の魂百まで、って言うでしょう.
大人だって易きに流れる、ましてや子供にはなかなか自己規制は難しいでしょ? 道徳観・倫理観が確立して自己規制ができるようになった後でないと、自由と勝手の区別は出来ないもの.

要は、自己規制の出来ない人間が増えたってことかな? これってやっぱりバブル期の影響かなぁ? なりふり構わずお金やモノを追い求めて走りつづけたあの時代.損をしてはいけない、自分だけは得をしなくっちゃ・・・って.
モノやお金にこそ、幸せがあるって、大人たちが勘違いしつづけたあの時代.勝ち組、負け組・・・負け組だと自分のことを位置付けるとそこから生まれてくるものはうらみつらみだよね・・・
で、それを、さらに弱いものに八つ当たりすることで発散しようとしているのかなぁ?

言葉ひとつを取ってみても、ネットの上の掲示板なんかで、とても嫌な物言いを見つけることがある・・・いかにも小馬鹿にしたような感情を逆なでするような言い方でしか語れない人も居るんだなって、読んでいて悲しくなる.
何だか、人間関係、荒れてるのかなぁ〜 悲しいことだけど・・・

少なくとも、身の回り、幾ばくかのご縁のあった人たちとは、お互い一歩を譲り合って、心優しく気遣い合いながら、人としての誇りを持って暮らしていきたいものですけれどね・・・





to top. to this top



 並河靖之記念館 2003/07/07


以前に、安藤七宝店のI氏から、京都に並河靖之記念館が出来るという情報をいただいていました.忙しさにかまけて、どこにあるのか調べることもなしに今まできてしまったのですけれど…

並河靖之という人は、明治時代の帝室技芸員となった七宝作家で、もう一人の涛川惣助と共に、「二人なみかわ」と称された方です.
涛川惣助の方は、迎賓館花鳥の間の30枚の七宝の絵で知られていますが、彼の作品は「無線七宝」で、これは、銀線を植線しておいて施釉して、焼成する前にその線を抜き取るという技法.そうして、もう一人の並川靖之の方は有線七宝を得意とした作家です.

靖之の方は、言わば私が有線七宝を始めたいと思ったきっかけになった作家でした.ですから、京都のどこに出来るのだろうか? と興味深く思っていたのですが…

6月10日の日経新聞の文化欄に、そのことが載っていたのです! 成毛ちゃんが見つけて、新聞を取っておいてくれたの〜〜並川靖之記念館の館長で、建築史を研究している、前久夫氏の記事です.それによると、国登録有形文化財に指定されている旧並川邸と、その工房とを「並川記念館」として、この4月にオープンしたとのことでした.

旧並川邸は京都の商家の伝統的な外観を備える「御殿造」といわれる書院造の系統を引いているのですって.並河靖之の作品・工房と共にその建物も見たいし、暇を見て、是非行ってきたいものです.
詳しくは、 こちらをどうぞ!!

この夏辺り、行ってきたいなァ…でも、夏の京都は暑いしね…秋にしようかな…





to top. to this top



 転職 2003/07/08


先日来、湯沸しポットが壊れちゃって、お茶好きの私としては不便極まりないので今日近所の家電量販店に買いに行ってきました.
店内を見ていると、現品限りって言うのがあって、それが安いの〜
ちゃんとカルキ抜き機能もあるし、節電設定も出来るし、ナショナルだからちょっと旧モデルだとしても、これで良いや〜って思って、近くにいた店員さんに声をかけたの.

その店員さん、若い店員さんに混じって、年の頃は40代後半かなって言う感じでした.
すぐにやってきて、「これにします.」と言うと、「これは展示品限りなんですが、いいですか?」って.
「良いですよ〜」と言うと、「ちょっとお待ちください.」 と言って、おもむろに棚の上にあるはずの外箱を探し始めたの.
ところが見つからないわけ.で、私も一緒になって外箱探しを始めました.
「お客さんに探してもらうなんて、申し訳ありません.」と言いながら汗をかきかき探しているんだけど、見つからなかったのです.

箱がないと、コードがないから困るし、と思ってしばらく一緒に辺りを探したんだけど・・・
彼は、「ちょっと倉庫の方を見てきます.お待ちいただけますか?」と言って走って行きました.
しばらくすると、箱を持ってまたまた走って帰ってきた・・・それからレジへ行って、一端外箱にポットを入れかけて、また出して、洗浄スプレーかけて磨き始めたの・・・で、またダンボール箱に入れようとしたんだけど、それがうまく収まらないのね.
四苦八苦しながら入れたけど、上に乗せるダンボールのクッションが入らない.「これ、捨てちゃってもいいですか?」って聞くから、「良いわよ〜 どうせ捨てるんだから.」って.
次にダンボールの蓋を閉めようとするんだけど、角の折り返しを折って切れ目に差し込んで締めるタイプなのにそれに気づかずにオロオロしてるの.だから、「これを折り返してここに差し込めばいいんじゃないの?」と言って、手伝っちゃった・・・
「モタモタしていて済みません.」って、彼、いかにも人の良さそうな顔で大汗かいてるのね.だから、思わず、「新人さんなの?」と聞いてしまったの.そうしたら、「ハイ、今日からです.」って.

そうか〜 転職組なんだ.もしかしたらリストラだったのかなぁ?
だから思わず、「そうなの〜 頑張ってね!!」って言っちゃった〜〜 「ハイ、頑張ります! よろしくお願いいたします!!」って、彼もニコッと笑って・・・「大変お待たせいたしました.」って.

店の階段を下りながら、うんうん、頑張ってよね〜 って心から思っちゃいました・・・このご時世、転職を決めるのにも、随分ご苦労だったんでしょうよ.本当に頑張ってよね、って・・・
ちょっと歳は食ってるけど、何だか初々しい新人さん、一生懸命って感じでした・・・男の方も本当に生きるのが大変な時代になってますもんね・・・頑張ってくださいましね!!





to top. to this top



 作品の題名 2003/07/10


明日は、秋の日本伝統工芸展の出品申込書を郵送しなくてはいけませんので、やっと題名を決めました.
有線七宝食籠(ゆうせんしっぽうじきろう)“椿落つ”です.“落つ”なんて付けたら選外になっちゃうかなぁ???

言の葉を 抱きたるまま 椿落つ

風もない深閑とした夕べに、ぼとりと落ちる椿のイメージです〜 どうでしょうか?

そんなことを考えながら、ネットで俳句のページを彷徨っていたら、夏目漱石と高浜虚子の連歌を見つけました.

川上は平氏の裔の住みぬらむ (漱石)
落ちて椿の遠く流るる (虚子)
花弁(はなびら)に昔ながらの恋燃える (漱石)
世を捨てたるに何の陽炎 (虚子)

最後の虚子の一句が、とても気に入りました〜〜 とても良いでしょう? (^.^)/

さて、先ほどyuuちゃんと電話で、今月末に一緒に並河靖行記念館に行こうということにしました.
二人とも、作品作りで頑張ったから、自分にご褒美です!!
たのしみ〜〜〜〜 夏の京都は暑いけどね・・・何か、美味しいものでも食べてこよう!





to top. to this top



 いじめ 2003/07/15


このところ、ちょっと気になっていることがいくつかある. 例えば、鴻池防災担当大臣の発言・・・長崎の幼児殺人に関しての、“ああいう子供の親は市中引き回しの上打ち首だ”ってヤツ.
確かに親の責任は大きいと思うのよね.でも、その親自身はどうやって育てられたのか、どういう教育を受けたのか、そうやって辿って考えていくと、これはひょっとしたら日本の戦後教育のあり方にも行き着くわけで、だとしたら、このことに対しては、政治家たるもの、内心忸怩たる思いを抱えてもしかるべき事柄なのではないかと・・・
この問題は、個人の抱える問題であるだけではなく、日本そのものの抱える問題ではないのか、とも思う訳よ.

だって、日本全国、あちこちで首に矢の刺さったカモだとか、足をちょん切られた猫だとか、口を紐で縛られて死んでいた鹿とかがいっぱいいるわけだし、そういう形で動物を虐待したり殺したり出来るってことは、やっぱり、幼児や他人を虐待したり殺したり出来ることとは、ほんの紙一重なのではないだろうか? つまり、こういう異常事件の加害者になり得る人間がたくさんいるかもしれないってことに通じるのではないのか?

そこの危機感なしに、親を市中引き回しにすれば、懲りてそういうことをする人間が減るだろうなどと発言するってのは、あまりに情けない・・・少年法の改正、適用年齢の引き下げで解決するはずもない・・・唯一解決できる可能性を秘めているのものは教育のあり方なのだろうけど、それには長い時間が必要だ・・・出口のない連鎖の罠にはまってしまったような気すらするくらいだ.

今朝は今朝で、横綱朝勝龍の土俵入りの際に、モンゴルへ帰れと言う横断幕を掲げて座布団を投げこんだ人がいるってニュースが流れた・・・

まぁ、全く次元の違う話なんだけれど、どこか共通している部分がある.マスコミなんかで「悪」呼ばわりされたものに対する公然たるいじめ.コイツならいじめたって、何を言ったって良いんだというお墨付きが与えられたと錯覚して、かさにかかってピントの外れた正義感を振りかざす.でも見方を変えれば姑息な個人的な鬱憤晴らしでしかないんだ・・・と、そんな感じを受けるのね.

日本中にひしめいている鬱憤・・・そして八つ当たり・・・
加害少年の関係者のもとにも、もしかしたら随分な嫌がらせが飛び込んでいるのではないのだろうか、と、それを思うと暗澹たる思いに駆られる.人の苦しみ、悩み、悲嘆に追い討ちをかけて何が楽しい??

やさしさと理性を失った関わりは、いかにも悲しいよ・・・もっと時間とやさしさと理性を尽くしていろんな物事と関わって行きたいと私は思うのですけれどね・・・私が思ったところで、屁の突っ張りにもならんか〜〜 やれやれ・・・





to top. to this top



 襖張り 2003/07/20


今日は午後一番で、菊川からSさんご夫妻が、襖張りの最終戦に来てくださいました.
ちょっと、記念に写真を撮ったので、載せてみますね〜


下地のお掃除 下張り紙の糊付け
下張り 本張り


まず、古い襖紙をはがして、下地ベニヤを雑巾がけして、こびりついた糊を落とします.(上の左)
それから、下張り用の紙の四辺に糊をつけます.あまり沢山つけると、次にはがすときが面倒になりますから、丁寧に細く付けました.(上の右)
下張りの完成です.(下の左)
本張りして、へらで隅を丁寧に押さえ込んで、へらをあてがったまま、カッターで余分を切り取ります.(下の左)

前の作業時から随分日にちが経っていたので、3人ともちょっと忘れ気味で、糊の濃さはこのくらいだったっけ? とか・・・
最初の一枚は少しもたついたのですけど、二枚目は思い出して、上手に張れました!!

結構、真剣な面持ちで取り組んでいますでしょう??!! 楽しかったよ〜〜
終わってから、スイカを食しながら、古典文学のお話.世阿弥とか、ね.それも楽しゅうございました!!
Sさん、本当に何度も、ありがとうございました!! おかげさまで綺麗になりました〜 もっとも、もう、ショウタにやられちゃったところもありますけど・・・えへへ





to top. to this top



 月下美人 2003/07/21


月下美人


夕べは、月下美人がふたつ、花をつけました.今年は、あんまり世話もしないでほったらかしだったのに、ちゃんと咲くから健気なものです.
玄関先に置いてあるのですが、下のパソコン部屋にまで窓越しに匂ってきました.
たった一晩咲くだけで、翌朝にはしぼんでしまう一夜花ですから、きっと強烈な匂いを発して虫たちを呼び集めるのでしょうね.
月下美人はとても綺麗な花ですけど、よく見ると、葉から直接花が垂れ下がって、不気味です.やはり熱帯のジャングルの中に咲いたほうが似合ってるのかも・・・

今年は、少し手入れしてやらなければ・・・そろそろ植え替えどきなのかもしれません〜〜





to top. to this top