２０１１・額絵「桜｝

今月に入ってからデザインを済ませ、先週いっぱいかかって、下地つくりと下絵付けを済ませました。下地には銀箔を貼りこんでいます。

2日ほどかけて植線を終わりました。これから有線止めの釉薬を振って、明日、一番で焼付けを済ませる予定です。

桜の幹の表現に迷って、ちょうど半分くらいの大きさで部分をとって試し焼きをいたしました。
昨日、板取、下焼きから植線までを済ませて、今日一番差を終わりました。まだ色が浅いのですが、これをたたき台にして本番に取り掛かります。

実の所、一昨日、いつもの額縁屋さんに公民館祭り用の額縁の発注に出かけた折、「在庫の整理をしていたらクキさんの好きそうな額縁が出てきたんで、安くしますけど〜」って。その額縁が妙に気に入ったし、随分安くして下さったから買ってきて、それにあわせて板取りして試し焼きをしたのです。年末からyuuちゃんとのふたり展もあることだし、丁度良かったわ。(^^ゞ

一番差です。幹はまぁまぁ雰囲気が出せたかな、と。額縁と雰囲気が合うかどうか、嵌めてみました。

二番差を終わりました。大分、色が出て来ました。背景にも少し色彩を足して見ました。

三番差を終わると同時に、試し焼きを完成させました。花芯の部分に金箔を施したくて、その様子を見るために、試し焼きの方を先行させています。（ちょっとドロナワですけど。(^^ゞ
私は金の色が大好きです。ほんのちょっと加えるだけで、驚くほど華やかな雰囲気が出ますから。只、どの程度加えるかと言うのは大問題で…　その分量を見るために、試し焼きで、というわけです。写真だと余りはっきり写っていませんけれど、やはり考えた通りの効果はあるようです。
さて、これから数日かけて本番の方の研磨と仕上げに入ります。

昨日、今日と頑張って研磨を終わり、金箔を散らして仕上げといたしました。
金箔は花芯と背景に細かく散らしています。写真では見にくいのですが、実物はかなり華やかになりました。ご注文主が気に入ってくださると良いのですけれど…
2〜3日は手元において、週末にでもお届けしようと思っています。
試し焼きの小さな額絵のほうは、年末からお正月にかけての修善寺の画廊「山粧」さんでのyuuちゃんとのふたり展に出品する予定です。

昨日、納品を済ませました。納品先は清水区にある日蓮宗のお寺です。ご住職さんが大層喜んでくださっていろいろお話しを聞かせていただきました。日蓮宗においては桜には特別な意味合いがあるのだそうです。

つまり、日蓮宗には日蓮上人が亡くなられた時に、庭先の桜が時ならぬ花を咲かせたという故事が伝えられているのだそうで。日蓮上人が亡くなられたのは10月13日。しかしこれは旧暦のことで現在で言えば11月20日頃でしょうか。そのご命日を「お会式」と言って、日蓮宗のお寺では11月になるとそれぞれまわり持ちで｢お会式｣という行事が行われるのだそうです。

今回、私は、そのお話を以前にもちらっと伺っていましたから、日蓮上人所縁の桜なら、満開に咲いたあでやかな花ばかりの絵ではないだろう。むしろ堂々たる古木を中心に据えるべきではないだろうかと着想してこの絵を描きました。だって、日蓮上人と言えば仏教会の革命児だったのですから。
そのことをお話しすると、ご住職さんはご自分でもそう考えられていたと。だからこの作品を見て大層うれしかったのだと言ってくださいました。
帰宅してから「お会式桜」を調べてみました。現実、京都の妙蓮寺（上京区寺之内通大宮東入ル妙蓮寺前町875）にはお会式桜があるのだそうです。東京の池上本門寺にも。寒桜の一種でしょうかしら？

お納めしたお寺のお会式は今日。お寺の境内には、お会式の準備でしょうか、紙で作った桜の飾り物がたくさん飾られておりました。たまたま偶然なのですが、お会式の前日に納品できてよかったと思いました。