最終更新日 ; Thursday, 01-Aug-2002 00:00:00 JST

2002・2月


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 鯨 2002/02/01


この間、騒ぎになった12頭の鯨の死体に、それぞれ2.8tのコンクリートブロックを重石につけて海上投棄したそうです.花束も捧げられたとか.
なんだか不思議な気がします.日本は昔から連綿と鯨を食する文化を持っているんだから、死んでしまった鯨を食べちゃったらいけなかったのかしら? まァ、そうすれば、国際的に非難ごうごうになるから、なんでしょうけど.もったいない…

昨年、磐田市でも鯨が海岸に漂着する騒ぎがありました.やっぱりしばらくは生きていて、救出作戦が行われたのですが死んでしまい、磐田市ではたしか400万円ほどかけて、埋葬したんですけど.

鯨を食べる事は野蛮行為だ、と、ウシや豚を山ほど食べる文化圏の人たちに抗議されるのは、ちょっと納得がいかないのですけれどネ.ウシや豚は食用として生産されてるのだから構わない、という論理もちょっとネェ…
鯨が絶滅寸前だってのは、どうもちがうらしいし、このまま増えつづけるとそれはそれで、色々問題が出てくるって話も聞いていますしね.鯨やイルカだけが問題になるのは、私にはどうも分かりませんよ.

文化の問題ってのは難しい.文化の違いは、是非を超えてる.こっちの文化で照らすとなんと野蛮な…と思うこともあるし、その反対に、なんとも思わずにしていることが野蛮行為と取られることもある.でもやはりそれが連綿と築き上げられた文化であれば、本来は、口出し無用なのではないかと.それが私たちの文化です、と、堂々と胸を張ってもいいのではないか、と思うのですけどね.

まァ、沈められた鯨の死骸も、国際問題にもなることナシに他の魚たちのお腹に入るのだから、良しとしましょう.
それにしても、鯨の刺身、随分食べてないなァ・・・私って、野蛮人かも!


2002/02/01

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 成毛氏の個展 2002/02/03


昨日の茶碗の一番差に気をよくして、今日は朝から、浜岡カントリーでの成毛氏の個展を見に行ってきました.

成毛氏と最初に出会ったのはもう15年も前の事です.その頃、東海伝統工芸展の静岡巡回展の話が出ていて、それに伴って私と成毛氏とが静岡県の役員に追加された時が最初の出会い.
それまでは、作品だけはお互いよく知っていて、私は彼の作品のファンでもありましたから、どんな人だろう??って・・・
で、最初に会った時、内心、ウソ・・・! って思ったのね.そしたら、「えぇ〜? あんたがクキサン?? うそだろ〜!! 会わなきゃよかった… 作品だけ見てればよかったよ.」って.で、こっちも思わず、「私だって、会いたくなかったわよ.イメージ大狂いだよォ〜!!」 で、お互い大笑い!
と、それが最初だったのですが、以来10年間は、色々ゴタゴタ続きの静岡県を、“六分の侠気、四分の熱”ってヤツで、何とか乗り切ってきて、まァ、言わばお互い“戦友”のような関係が、双方共に役員を降りてからもずっと続いています.
相変わらず、作品に関しては、私は彼のファンでもありますしね.

浜岡の個展はなかなか圧巻でした.100点ほどの作品が並んでいて、それも半分以上は大作ですから.
個人蔵の作品を借りてきて展示しているのもあって、今までの彼の仕事が順を追ってみる事が出来て、楽しかったですよ!
「ね、ね、成毛ちゃん! オタク、陶芸家というよりも、アヤシイブローカーって感じよね.」
「おぅ、ねーさん、ありがとうよ!」などと、バカを言い合って.作品と作者の折り合いの悪さはお互い相変わらずの事で… (^^ゞ

ちょっと会場風景を撮ってきましたので、載せてみます.
今月一杯やっていますから、お近くの方は、どうぞ、ご覧下さいネ.


会場風景1 会場風景2
会場風景3 会場風景4


2002/02/03

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 ちりぬるを 2002/02/05


今朝から三番差に入って2時に終了.さっきから最終焼成にかかっています.これで、時間を食っちゃう工程は終わりました.後は、今月一杯かかって研磨です.
時間的な余裕は充分ありますから、のんびりやるつもりです.
といっても、去年ダメになっちゃった作品は、この後の研磨の工程でぱりっていって三つに割れちゃいましたから、安心は出来ませんけど.
去年と焼成方法を変えましたから、大丈夫だとは思うんですけど・・・普段無信心なのに、こういうときだけ「神様、仏様!」ってワケにも行きませんよネェ.まぁ、人事を尽くしたのだから、天命を待ちましょ!(^^ゞ

題名は「ちりぬるを」って決めてます.
激しい嵐に渦を巻いて、散り果てるはなびらです.ちょっといいと思いません?
今年は、もう一つ、このテーマで箱を作ろうと思っているのですが…


2002/02/05

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 友情 2002/02/10


さっきの電話、びっくりしちゃったよ.いろいろ考えてもしまった.
そもそもの事の発端は今日の昼に、偶然あなたと出くわした事.あの時、私は人を待たせていたから、お茶に誘ってくれたあなたに、「ゴメン、人を待たせてるから.」とすれ違いざまに断ったのよね.あなたも、生徒さんたちを連れていたしね.

で、さっきの電話.
生徒さんたちが、私のことを、ステキだって誉めてくれたんですってネ.綺麗になったって.ありがと!! お世辞でも嬉しいよ.多分それは、普段Gパンしかはかない私がワンピースなんか着ていたからびっくりしちゃったってだけ、だと思うんだけど.で、好きな人が出来たのかもしれないって話題になったんですってね.オトコとここで待ち合わせしてるんじゃないかって.あはは…だよ、全くぅ..

ま、そこまでは、世間話の類.いろいろ想像力を働かせちゃうのはよくある話.ちょっとした茶飲み話よ.

で、電話口で酔っ払ってるあなたは、「私に話してくれないヒデコ」に、さっきからずっと心臓がドキドキしてる、って.
「そんなに私って信用がないの?」とか、「誰にも話したりはしないのに.」とか、言ったよね.
で、私は答えた.「もし仮に、よ.仮に私に好きな人が出来たとしても、私は決して誰にもそんな事、話し回ったりはしないよ.その事はあくまでもプライベートな私だけの出来事なんだから.話すとしたら唯一好きになった相手に直接、だけだよ.」って.

私は、プライベートな事を、友人だったら全部知ってるはずだ、なんてことは全く思わないのよね.知る必要もないと思ってる.
ずっとそれで貫き通してるのは、あなたも承知でしょ? 母や主人の病気だって、誰にも泣きつかずに自分ひとりで背負ってきたのを見てるでしょ?
ただ、友人に対して、何かあるのかな? と心配する事はあるけど、だからと言って、どうしたの? と、聞こうとは思わない.
訊ねる事をせずに距離を置いて気付かぬ振りをしながら、密かに心配してるってのも確かに友情だと思ってるから.聞かないでいられるってのは、その友情を信頼してるからだと思うんだけどネ.勿論、話してくれれば誠実に聞くけれど、話そうとしていないものを聞き出そうとは思わないよ.

私の何から何までを知ってる事が友情だなんて思わないで欲しいのね.
「生徒さんたちに、先生、気がつかないんですか? って言われて、あなたと私の間の友情を疑われるのは困るのよ.」とも言ったよね.でも、そういう考え方って、私はしないの.人がどう思ったって構わないじゃないの.
友人であっても、他人なんだから、おのずから、踏み込んでもいい所とよくないところはあるんだと思うのね.礼儀正しく距離を置くってのは親兄弟であろうと友人であろうと大事なことなんだと思ってる.

サラっと、お互い距離を置いていようよ.まぁ、そういうところが、あなたに言わせると、「ヒデコの薄情な部分」なんだろうけど、これは私のキャラクターなのよ.しかたがないでしょ? 諦めてちょうだい.

で、念のため.今日、私は、オトコと待ち合わせをしていたりはしていませんでしたよ!! あはははは.ヘンな心配はしないでね.第一、これ見よがしに恋人を、友人たちの来る所に連れて行ったりするような趣味も持ち合わせていないからネ! な〜んて言ったら余計に心配するのかなァ?? がはははは(^^ゞ


2002/02/10

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 物狂い 2002/02/15


「ちりぬるを」を作り出してから、今日で丸一ヶ月が過ぎました.今度はとても気持ちよく作っています.なんだか、のってる、って感じ.
時々、夢中になりすぎて、食事を忘れてる日がある.朝も昼も食べ忘れて、夕方頃、突然に体から力が抜けて、あ.そういえば今日は朝から何にも食べていなかったっけ・・・とひどくびっくりした日も何日かありました.ちょっとした「物狂い」の日々が続いています.おかげで「ひとりごと」もさっぱりです!

「夕鶴」の話がありますよね.“おつう”と“よひょう”の物語.あれって、こんな事なのかしら? ってふと思ったりしています.
覗かないように言いおいて、部屋にこもって、“おつう”は鶴に戻って尾羽を引き抜きつつ機を織る・・・「物狂い」の姿です. まァ、私と“おつう”じゃ「月とすっぽん」、見比べようもないけど、それはそれとして…(^^ゞ

尾羽を引き抜くって感じ、分かるんですよね.別に、“よひょう”のため、なんてもんじゃない・・・おつうも、ただひたすら自分の世界で「物狂い」してるだけなんじゃないのかと密かに思ってる・・・
母が生きてる頃、よく言ってました.「ヒデコは七宝に殺されちゃうって思った時が何度もある.」って.
そばにいる人から見ると、ぼろぼろになって行くような気がするのかもしれませんね.本人はいたってゲンキで、乗りまくってるだけなんですけど.

今度の作品は、ごく小さい作品ですけど、結果はどうあれ、引き抜いた私の尾羽を閉じ込めて、ガラス胎の、私にとっての記念碑になりそうな予感がしています.
さて、あと半月ほど、薄汚い“ぼろぼろの鶴”になりきりますか・・・えへへ


2002/02/15

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 不況と工芸 2002/02/19


先程、生徒さんの作品が届きました.釉止めといって、焼いた時に釉薬が流れ落ちるのを防ぐための庇のような部分の切り落としを発注してあったのが帰ってきたのです.請求書を見て、腰が抜けそうになっちゃいました.げげっ・・・なに、この金額は!!
頼むごとにどんどん高くなっています.多分、やってくださっている所もこの不況で、このくらい請求しないとやっていけなくなってきているのはまちがいないのでしょうけど・・・それも充分に分かるんですけどネ.

でも、こんな事だと、この世界、お金のない若い才能なんて、きっとやっていけないよ・・・金持ちの道楽でしかなくなっちゃう.
それじゃ、もうダメになっていくしかないじゃないの.まぁ、こんなカビの生えたような工芸なんてどうだって言いといえばそれまでのことなんですけど.でも、私としては、若い才能はどんどん花を咲かせていってもらいたいと思っているわけで.なるべくその環境はいろんな意味で整えてあげたいと思ってもいるのです.

作品を作るための何がしかの道具も、専門店がどんどん廃業に追い込まれて、ホームセンターあたりへ行って、使い捨ての道具を買って使うしかなくなってます.特殊なものは手に入れるまでが一苦労って状態です.まァ、どの業界でも全てがそうなんでしょう.

先日、出入りの電気屋さんも嘆いていましたっけ.今は修理しようにも部品が手に入らないって.で、修理できない.買い替え・・・ゴミ・・・大量販売・大量消費.資本主義社会の宿命なんでしょう.

この不況下にあって、間違いなく失われていくもの、それは技術なんじゃないかしら.細分化された技術・企業がらみの特殊な技術はどんどん更に細分化しつつ発達していくのでしょうが、もっと日常的な身近な、人間的なトータルな技術とプライド、それは間違いなく失われつつあるような気がします.人の誇りとしての技術は、どんどんその値打ちが下げられている.
明らかに私たちは、ただ消費するためだけの存在に追いやられていっているのではないか、と、なんだか悲しくなっちゃいます.

あぁ〜あ、宝くじでも当たんないかなァ、そうしたら、才能のある人たちを集めて好きな仕事が好きなだけ出来る場を作りたいけど・・・3億円じゃ足りないかァ・・・才能って、間違いなく神様からの贈り物.たかが金がないくらいのことで失わせるなんて、本当にもったいないと思うんだけどネ・・・
でも、考えてみれば、食えなくても何とか作り続けるってのが本当の才能なのかもしれません.ビンボーなくらいで諦められるってのは才能のうちじゃないってことなのかも・・・

な〜んて.あはは、ビンボー人の戯言、ですわ、全くぅ.自分でも、何言ってるんだかわかんなくなっちゃったよ・・・


で、話は変わりますけど、いま、アイスダンス・フリーの決勝の演技を見ていました.
優勝したのはフランスでしたけど、銀メダルのロシアの、ロバチェバ・アベルビフ組の演技、大好きでした.アベルビフが、一回転半のジャンプを飛んで、これはアイスダンスのルールの中では違反なんだそうですけど、作品の流れの中では全く自然で美しかったのです.
「何であそこで違反ジャンプを飛んだんでしょうかネェ・・・」って解説者が言ってたんですけど、飛びたかったんだろうなァ、うんうん、あそこはゼッタイに一回転半だと思ったのよ、きっと、なんて、妙に納得しちゃいました.結局それが響いたのかどうかは分かりませんが二位で.でも、きれいなものを見せてもらって、私は幸せでした.

さて、これから、ビデオ見ながら高台の焼成です.


2002/02/19

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 努力と結果 2002/02/26


オリンピックも終りましたね.日本の成績が振るわないといってマスコミもなにやらいろいろ言い始めていますけど、良いじゃありませんか.努力は報われる事もあるし、そうではない事もたくさんある.何も、国威発揚の場じゃあるまいし、それぞれの選手の努力はそれぞれの選手の中で、いろんな形で長い時間をかけて個人的に結実すればいいことなんですから.ただ、がんばったわね、すごいじゃないのって、それだけですよ.到底私には逆立ちしたって成しえないことをしている人たちなんですから.ホントにすごいよ…

私も毎年公募展に作品を出品している身の上ですから、努力と結果とには、ほとんど相関関係はないって思っています.長い目で見れば自分の内側の問題として明らかに相関関係があるわけですけど、入選するとか選外になるとかいう、短いスパンの話では何も相関しない.努力して、自分でも気に入って、それで選外になるという事もあるし、その逆もある.いちいち一喜一憂していちゃ身が持たないじゃないの、って.それよりも私が私自身に納得できるかだけよ、って.

結果がついてくるときは、運がよかっただけのこと.神様は、時々は気が向くとその場でご褒美を下さることもある・・・でも、その場でのご褒美を貰うためにがんばってるんじゃないもの.している仕事が長い年月をかけて私を育ててくれる、それが一番確かなご褒美でしょ? と、そんな気がしています.

選手の皆さん、本当にご苦労さまでした.でも、マスコミ、悪いよね・・・メダルばっかり追いかけて・・・変なナショナリズムは気分が悪いよ、ホント.


2002/02/26

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 七宝・Q&A 2002/02/28


先日、掲示板に知らない方からの七宝に関するご質問が載せられていました.で、その方とはメールでやり取りをして、何とか解決されてよかったぁ! でしたが、その事から、掲示板形式での、七宝に関するご質問にお答えする「七宝・Q&A」の設置を思い立ちました.七宝をやっている方々の、少しでもお役に立てれば、いいかな? って.

で、Kentさんのページから、掲示板を拾ってきたまでは良かったのです…ちょっと欲張って、画像も添付できれば、画像付きで質問をいただいたほうがこちらとしても原因を掴みやすいかなァ、と、画像も添付できるヤツです.
設置場所は、“九鬼英子の世界”の、U-HIPが容量100MBですから、そこにしようと…

だけど、画像付きの掲示板の設置なんて、ちょい難しい上に、U−HIPは、私みたいなシロートの登録者は相手にしてないよ(!)って感じで、FAQを見ても、その設置方法の説明が簡略すぎて何がなにやらチンプンカンプン…何度やってみてもエラーばっかり…

で、再び、師匠のこーちゃんに相談して、設置場所を、Private Room の方に変えて何とかそこに設置しました.ここのほうがフォルダ構成はずっと楽で分かりやすかったからなんとかなりました.勿論ファイルの書き換えも、おかしな所は直してもらって、です.
まァ、ここでもいいや…
と、ここまでで、丸2日! もう青息吐息、肩はコリコリ、目はショボショボです.とにかく私の力では、とても追いつかない仕事だったことには間違いありません!

ところが、昨日、朝のメールで、こーちゃんがU−HIPのほうの問題を解決してくださいました!
おぉ〜〜やっぱり、神様だわ!! で、早速、もう一度、Private Room の方のを削除、“九鬼英子の世界”の方に設置をし直したところです.こーちゃん、ありがとうございました!!! すごいよね…まるで魔法使いだわ! 頭の中味、どうなってるんだろ???

七宝をなさってる皆さん、こんなに苦労して(!?)作った掲示板なんですから、もし何かあれば、ご遠慮なくお使い下さいネ.
ついでに、せっかく作ったのだから、と、Private Room の方の掲示板も、画像が載せられる方に変えました.こちらの方もどんどん書き込みして下さいネ.





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